サクラ咲く名刹

桜 バラ科サクラ亜科サクラ属の総称。
日本においてサクラは開花が話題となる点において、他の植物とは一線を画す存在である。現在ではメディアなどで単に「桜」と言うと、桜の中で極端に多く植えられている品種のソメイヨシノの事を指すことも多い。(Wikipediaより抜粋)

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日本人に「日本の国花を知っていますか?」と聞けば、「桜」と答える方が多いでしょうが、実は日本には法律で定められた国花というものがありません。にも関わらず、世界的にも桜は日本の花と捉えられているぐらい、日本人は桜に特別な思いを抱いているように感じます。
何を隠そう私もそのうちの一人。桜の美しさに魅入られ、時間があればカメラを片手に撮影会へと向かいます。

上の写真は2010年に舞鶴城で撮影したものですが、この年を始まりに毎年いろいろな場所へ伺いました。
日本三大桜のひとつと言われている、韮崎の実相寺にある山高神代桜はもちろん、富士川町の大法師公園、甲州市塩山にある慈雲寺のイトザクラ、貢川の桜並木や小瀬スポーツ公園などなど、県内には桜の名所がたくさんあります。

以前に連載していた「脱!メタボウォーキング」の取材にかこつけ、さまざまな場所へ伺うことができましたが、今年からは新しいスポットを毎年1箇所見つけて撮影へ行こうと考えています。


そして、平成26年の注目スポットとして選んだのは、南アルプス市にある妙了寺。
古来より「うら身延」と尊崇されているお寺です。

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高峰山妙了寺の創建は正応元(1288)年。旧櫛形町中野にあった真言宗妙竜寺を日蓮聖人直弟子の妙了日佛尼が改宗し開創。子息の日了上人が開山します。
現在の場所には第二祖の日勢上人の時に移りましたが、宗門の中でも格式が高く、江戸時代には幕府からの命により甲府の遠光寺や旧若草町の長遠寺とともに「国三ヵ寺」と呼ばれて末寺27ヵ寺を統制する立場にありました。

また、武田信玄公との関わりも深く、軍事的拠点としての役割も果たしていたようですし、江戸中期には徳川御三郷田安徳川家の所領となり、領主より世継ぎ出生祈願を懇請されるや、秘伝の祈祷を行い一子亀ノ助を得たという逸話から、今でも安産祈願の寺として知られています。ちなみにこの亀ノ助は後の徳川家達で、徳川本家十六代当主を継承する人物です。
江戸時代の末期には境内に34棟も建物があったということですから、歴史や規模からうら身延と尊崇されたのもうなずけます。

残念なことに昭和24年の大火でほとんどの建物を失ってしまい、かつての広大は寺域の東側には学校が建てられ、今では桜の樹林の中にある静かな寺院となりましたが、焼け残った経堂とその中にあった県内一の大きさを誇る輪蔵は素晴らしく、年末年始などのご開帳には大勢の参拝者が訪れます。

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境内には桜の木がたくさんありますが、やはり一番目に付くのは大きな枝垂桜です。

伺った当日はまだまだ雪も残り芽吹いてもいませんでしたが、咲き誇る姿を想像するだけでワクワクする佇まいでした。

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また、本堂の横にある観世音菩薩像も存在感を示してました。

「安産・子育・子孫延命開運の観音さま」ということで、足下にカワイイ子供が2人います。

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春は始まりの季節・・・と先月号で書きましたが、春を象徴する桜と未来ある子ども達が妙に馴染み、何とも言えない思いが込み上げてきます。
春だけでなく、歴史も感じ、心も洗われる。妙了寺とはそんな名刹なのだと感じました。

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【高峰山 妙了寺】
住所:山梨県南アルプス市上市之瀬724 拝観料:志納
電話:南アルプス市観光協会 055-284-4204 駐車場:約50台

1404sketchマチコレ!の人気コーナーである表紙のスケッチですが、2008年4月号に愛宕山浄水池、2010年4月号に神代桜を取り上げました。神代桜は全国的にも有名ですが、愛宕山浄水池が桜の時期に開放されるということは、甲府市在住の私も当時は知りませんでした。
先日、表紙のスケッチ原画展を行い大変好評を得ましたが、ホームページからも過去の作品を楽しむことが出来ます。
ポストカードも販売しており、オラがまちを他県の方にPRするのも良し、飾るも良しの逸品です。
http://machikore.com/sketch/