2019年5月号 山梨岡神社

 春日居町鎮目の山梨岡神社は、平安時代の延喜式神名帖に残る古い社である。崇神天皇の御代、疫病が蔓延したため勅令によりに御室山の峰に三柱の祭神を祀って近郷の鎮守とし、成務天皇の御代に郡境を定めるにあたり、麓の山梨群生林を切り開いて遷し、鎮座地を「甲斐嶺山梨岡」と名付けた。この故事から「山梨」の地名発祥の地と伝えられる。古くより伝わる太々神楽は、武田信玄公が出陣の際に戦勝祈願として奉納されていたという。
 毎年4月下旬から5月上旬は甘い香り漂う藤の名所だ。笛吹市の天然記念物に指定されている境内の藤の木は、古くなれば幹が分れる藤の特性をよく現し、樹勢はきわめて旺盛。棚に留まらず側の柱を覆いながら天に向かって伸びていく。藤は日本古来の花として、折しも新紙幣に描かれることが決まったばかり。その魅力を存分に楽しめる季節がやってくる。

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