山梨中央青果株式会社 遠藤さん

マットシレシvol.2

今年もGWがやってきました!皆さんは、どこかへ出かける計画があるのでしょうか?ちなみに私は、今のところ予定は未定です・・・。

さて、先月号では料理家の真藤さんにお話を伺いましたが、その中で「山梨の野菜」について、いくつかの疑問が浮かびました。たまに近所からおすそ分けをいただきますが、山梨ではどんな野菜がメーンにつくられているのでしょう?また、どれぐらいの生産量があるのでしょう?

今回のMattoCileciは、そんな疑問にお答えいただこうと、国母の甲府市地方卸売市場にある、山梨中央青果株式会社の遠藤さんにお話しを伺いました。

地産地消をもっと進めて、
新鮮で美味しい野菜を食卓に届けたい(遠藤)

遠藤さん

「山梨は平地が少なく、野菜の生産には向かない土地が多いので、生産量で言えば全国で42位なんですよ」

47都道府県の中で、下から数えた方が早いとは驚きです。
ちなみに県内の農業は、東は果樹で西は野菜というイメージがありましたが、やはり野菜は北杜市が生産量No.1。タマネギ、キャベツ、ダイコン、ジャガイモの順でつくられているとのこと。生産量が少ないから、スーパーなどには他県産が並んでいるのか・・・と思いきや、山梨産の野菜は、他県へ流れている量の方が圧倒的に多いとのこと。またまたビックリ~!

モノの値段は、需要と供給のバランスから成り立っています。山梨産の野菜は他と比べて少々高いため、我々一般消費者が他県産を購入してしまい、余った山梨産は他県へと流れていく。ではどうして山梨産は高くなってしまうのか。その理由は冒頭にある生産量に関係していました。

同じものを作るとき、他県では広大な土地で大量の野菜を生産します。大量に作ることができれば、値段を下げることができる。結果として山梨産は他と比べて高く感じられてしまう訳です。

「生産者が安定した収入を得られないと、農家を続けていくことは不可能です。我々は生産者を守る役割もあり、値付けはとても難しい問題です」

確かに仰る通りです。収入が低ければ、後継者不足と言われている農業は衰退の一途です。卸売市場とは、そういう意味でも大変重要な存在なのですね。
山梨の野菜をもっと県内で消費することができれば生産者の収入になり、流通のサイクルが早くなるので、今まで以上に新鮮な野菜が食べやすくなるでしょう。他県へ運ぶトラックが排出する、Co2を削減するというエコだけでなく、地元の農業という職業を守るという意味でも、地産地消は進めるべき取り組みだということを再確認しました。

対談中

私は遠藤さんからお話しを伺うまで、山梨産のキュウリやトマト、ナスなどが他県で人気が高いことを知りませんでした。しかも、ナスは甲府市の山城から中道地区にかけて栽培されているものが人気とのこと。
これを知らずして「アイラブ甲府」と言っていた自分が恥ずかしい~!
ちなみに、野菜生産量で山梨が唯一全国5位以内に入っているのは、スイートコーンです。
甲府でもきみひめやゴールドラッシュが生産されてますね。最近ではミルフィーユという品種をブランド化しようと取り組んでいるようです。

甲府とナスとスイートコーンが大好きな私は、積極的に地産地消に取り組んでいきたいと思います!
皆さんもちょっとだけ高い山梨産の野菜を、地域貢献という気持ちで、月に数回だけでも買ってみてはいかがでしょうか?

白瓜いっぱい


遠藤さんに聞きました!『まっとくえし』

南部のタケノコの季節が終わり、山梨産の野菜では白瓜が今、旬を迎えています。

白瓜「美味しい白瓜の見分け方」
・色は濃い緑色
・ボコボコと変形しておらず、張りや締まりがあるもの

一般的には漬物に用いることが多いですが、牛肉や鶏皮と一緒に豆板醤を使って、中華風の炒め物にしても美味しいですよ!瓜科のクセがあまりないので、キュウリなどが苦手な人も食べられます。

白瓜以外にも、ヤングコーン(ベビーコーン)やアスパラガスもこれからが旬。スーパーなどで見かけたら、ぜひ一度お試しください!