荒川ダム

荒川ダム

猛暑が続き甲府と勝沼が全国的に注目を浴びましたが、体調は崩されていないでしょうか?
ニュースコムでは夏風邪が流行り、元々渋い声だった某営業担当がブルース歌手のようなしゃがれ声になってました。
まだまだ暑い日が続きますが、熱中症対策として、しっかり水分を採ってくださいね。


さて、今回のMattocileciは、その「水」に注目しました。
甲府市にお住まいの方々はご存知でしょうが、我々の家庭で蛇口をひねれば出てくる「水」にとって大変重要な施設である「荒川ダム」について調べてみました。

今は穏やかですが、昔は何度も氾濫して地域住民を苦しめていた荒川。
近年では昭和34年の伊勢湾台風、昭和41年の台風26号の影響で大きな被害を出したようです。
また、急速な人口増加に対する、甲府市の上水道用水の需要に応える必要もあったため、荒川総合開発事業として多目的ダムを建設することになり、昭和44年から調査を開始し、昭和61年に完成しました。
甲府市の約半分のエリアへ水道水を供給していますが、一日の供給量は100,000m3ということですから、牛乳パックで1億本分ですね。

毎年8月~11月の火・木曜日に、「荒川ダム説明広場」というイベントを職員さんが行っているようですので、こちらに参加すると楽しく勉強できそうです。
場所は「多目的広場」ということですが、クマは大丈夫ですか??(笑)

熊注意

さて、荒川沿いに下り、覚円峰を過ぎ、長潭橋へと到着です。
この御岳昇仙峡のシンボルとも言える長潭橋は、県内に存在する最古のコンクリートアーチ道路橋です。大正14年の竣工ということで、県の近代化遺産や土木学会選奨の土木遺産にも指定されています。

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橋の下を流れる荒川も長閑で良い風景です。

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これも荒川ダムのおかげなのですね。

更に下っていくと、平瀬浄水場の取水口がありましたが、思ったよりも小さな施設で驚きました。

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平瀬浄水場の歴史は古く、大正2年から水を送り続けているそうですが、今では自動制御システムを備え、県内では一番大きな浄水場となっています。

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板敷渓谷MAP

ところで皆さんは、平瀬浄水場より上流に住んでいる人たちの水道水が、どこから供給されているか疑問に感じたことはありませんか?
実は小さな水道供給施設が集落ごとにあり、そちらから各家庭へ送られているそうなのです。

私はそれを知った時に、なんだか申し訳無い気持ちになりました。
国師ヶ岳に源を発している荒川上流の環境を守っているのは、間違い無くそこに住む方々です。
その方々のおかげで、厚生労働省のおいしい水研究会が「水道水の美味しい都市」に選んだ、甲府市の水道水を飲めているということになりますよね。
今後は感謝の気持ちを持って、貴重な水道水を使わせていただきたいと思います。

また、今回あらためて感じたことがいくつかありました。

ひとつ目は施設の老朽化です。
決して老朽化が目立った訳ではありませんが、施設が出来上がってからずいぶんと経っています。
笹子トンネルの件からトンネルは注目を浴びましたが、高度経済成長時につくられた施設は他にもたくさんあります。
特にライフラインに直結する施設は大勢の方々の命にかかわりますので、どのような点検が実施されているのか気になるところです。

ふたつ目は、災害時に施設を復旧するためのインフラです。
昇仙峡ラインの道幅を見ると、復旧に必要な重機が通れるのか少々不安になりました。
当たり前の日常というのは、たくさんの方々がさまざまな事に従事し、絶妙なバランスで保たれているのだと思います。
我々は、貴重な水を与えてくれている荒川ダム、昇仙峡、平瀬浄水場にもっと感謝の気持ちと関心を持ち、見守っていく必要がある気がします。


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【板敷渓谷】
板敷渓谷は気軽に大自然が味わえる、知る人ぞ知るおすすめスポットです。スニーカー程度の装備で、最終目的地の大滝へ15分程度で行けます。
途中に白髭の滝、親子滝がありますが、看板がありませんので、是非現地で探してみてください。IMG_2172

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◎行き方
ダム湖の能泉湖にかかる大きな橋「荒川大橋」を渡り、川沿いに進むと左手に駐車場があります。
車を駐め川沿いに歩き、ふたつ目のトンネルの手前が渓谷の入口となります。


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【荒川ダム説明広場】
詳しくは山梨県のHPをご覧ください。
http://www.pref.yamanashi.jp/damu-arkw/kouyou.html