路線バスでゆく かいゆうほ〜ボロ電の面影探訪編〜
錦町を通るボロ電
年が明けたと思ったら、あっという間に2ヶ月が過ぎようとしています。大神さんも過ぎ、春の兆しが見え始めるころ、皆さまはどのようにお過ごしでしょうか?
私はこの時期の天敵である花粉と戦うため、準備に余念がありません。とは言え、過去一度も勝った事がないのですが・・・。(^_^;
さて、これからの高齢社会で、大変重要な役割を担うであろう路線バス。もっと路線バスの事を知り、利用していただき、潤いのある生活を送っていただきたいという思いを持ち、このコーナーを連載しております。
これまで「バスの乗り方編」として、ICカードの使い方や、パソコンやスマホで利用する「やまなしバスコンシェルジュ」をご紹介しました。今回はいよいよ「かいゆうほ」へ出発します!\(^O^)/
※現在のバス路線図
目的地は富士川町(旧増穂町)。「ボロ電」が展示してある利根川公園です。ボロ電は以前に連載をしていた「旧町名を復活させたい!」で、橘町をご紹介した際(平成27年1月号)に触れました。
「今後の高齢社会を思うと、マイカーだけではなく、公共交通機関の充実も必要です。さすがにボロ電の復活は現実的と思えませんが、個人的には甲府市内を走る路面電車を見たいです。路面電車って風情がありませんか?」と記した通り、私は古き良き甲府を象徴する要素のひとつだと感じています。そのボロ電が、利根川公園に展示してあることは、以前から知っていました。山梨交通の前身である、山梨交通電車線。通称「ボロ電」。
第1回目のコースとして、相応しいのではないでしょうか(^_^)b
こちらがホーム画面。
今回は「目的地までのバスを調べる」機能を使うので、こちらをタップします。
出発地と目的地、出発時刻(到着時刻も可)を入力し、検索ボタンをタップ。
画面が変わり、付近のバス停を選べるようになるので
出発は「甲府バスターミナル」を、目的地は「長沢新町」を選択します。
さあ、出てきました。
1番乗り場から12時20分発の鰍沢営業所行きへ乗車すれば、13時06分に長沢新町へ到着します。
甲府駅南口バスセンターに設置してあるデジタルサイネージでも確認ができました。
甲府駅からバスに乗るなんて、何年ぶりでしょうか?車窓から見える見慣れたはずの景色も、何だか新鮮に映ります。
さて、ボロ電が姿を消したのは昭和37年。甲府駅周辺には、当時の面影を残すものは殆どありません。最初にその面影を感じるのは「荒川橋」バス停です。
私は以前から、なぜ停留所が橋の上にあるのか、不思議に感じていました。(?_?)バスに乗り降りする停留所は、アクセスしやすい環境にあった方が便利なはずですが、橋の上となると、誰もがそこまで行くのに多少は歩かなくてはなりません。しかし、そこには理由がありました。実はこの停留所、ボロ電の荒川橋駅の名残なんだそうです。
大正15年に完成したコンクリート製の荒川橋。渡り初め式の様子を見ると、中央部分に軌道が見えます。
手持ちの資料の中に、荒川橋駅の写真は見つけることが出来ませんでしたが、一般道路との併用軌道区間の最後の駅として運用されていたようです。軌道を一般道路と併用していたボロ電の面影が見つからないのも、甲府市の中心部が高度経済成長と共に発展してきた影響と考えれば、仕方の無いことなのかもしれません。
(次号へとつづく)
文:川上明彦