旧町名を復活させたい 二の堀に沿って
~相川町、新青沼町、水門町、百石町~


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2016年も既に1ヶ月が終わろうとしています。2月に入るとどうしても蘇る、あの大雪の苦い思い出。今年は暖冬で大雪が降ると言われていますが、出来れば二度とあのような思いはしたくありません。そうは言っても天候にこちらの都合は通用しませんので、しっかりと準備だけは整えておきたいですよね。

さて、皆さんは甲府城のお堀と聞いて何を想像するでしょうか?普通に考えれば、現在舞鶴城公園の南側にあるお堀だと思います。しかし、お堀というのはお城を守るためにある訳ですから、片側にしか無いのはおかしいですよね。実は甲府城のお堀は市街地を開発する際に、ほとんどが埋め立てられてしまいました。大正時代の地図を見ると、当時はまだ東西にお堀が残っていたことが分かります。しかも二の堀や三の堀も記されています。今回はこの二の堀が現在どうなっているのかを探りながら、旧町名に触れていきたいと思います。


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中央線よりも南側に二の堀が現れるのは、旧相川町で、現在の宝一丁目になります。


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現在は駐車場になっていますが、江戸時代はこの東側は住宅地だったということになります。その名残でしょうか?駐車場内にある高齢そうな桜の木の下に祠を発見。
いったいどんな人たちが、どんな日常を営んでいたのでしょう?想像が膨らみますね。旧相川町は江戸期から昭和39年に渡り使われていた町名です。武田氏の時代に造営された町のひとつで、甲府築城に伴い新城下に組み込まれたということです。


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南下した二の堀は東へと進路を変え、共立病院の北側を進み朝日通りから穴切通りに続く道を横断します。

地図を見る分には、ここから旧水門町、旧新青沼町へと入ったようですね。旧水門町は文禄2(1594)年に甲斐の領主となった浅野長政が、甲府城築城の際に相川から水を引いて町家や武家屋敷に分流をした際、この用水の取り入れ口があったことから名が起こったといわれています。

新青沼町は江戸期から明治6年まで使われた町名。こちらも武田氏の時代に造営された町のひとつです。町人の他、鋳物師が居住していたこともあり、鍋屋町とも呼ばれました。明治6年以降は西青沼町の一部となり姿を消しますが、新青沼自治会の名称として今も面影を残しています。それにしても甲府市内には旧町名で「青沼」の名がつく町がいくつも見られます。太古の昔、甲府盆地は沼だったという話を聞いたことがありますが、本当なのかもしれませんね。


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共立病院の北側を横断して東へ進んだ二の堀はその立体駐車場を囲うように南側へと曲がり、その後更に東へと曲がります。この曲がり角で金山神社を発見。
2015年11月号で取り上げた鍛冶町にもあったように、金山神社は金属に関する技工を守護する神が祀られています。鋳物師が多く住んでいたということがうなずけます。


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二の堀は暫く東へ進んだ後に暗渠化され南下し、次に姿を現すのは飯田通りのダイタビル北側付近となります。飯田通りを縦断し、タコの遊具が印象的な公園の下を潜って暫く進むと、また公園の下へと潜っていきます。公園を過ぎたところで顔を出しますが、平和通りへと垂直に向きを変え、またすぐに暗渠化されてしまいます。

この後は平和通りの下を暗渠化されたまま進み、次に姿を見せるのは三の堀と合流してからとなります。
さて、飯田通りから南側は、旧百石町です。町名の由来は諸説が有り定かではありませんが、武家屋敷地であったとか、土地の生産性を示す石高(こくだか)によるものなどと言われています。ちなみに私にとって百石町と言えば、山梨日日新聞社の社屋があった町です。とは言っても、私が生まれる前に現在の北口へ移転をしていますが、明治35年から昭和41年の64年間も現在の甲府信金本店(旧山梨県立図書館)の場所にあったのです。

今回は二の堀の面影を追いながら、旧町名の名残を探してみました。こうやって歩くことによって、いつもの当たり前の景色が違って見えるから不思議です。
次は三の堀も歩いてみようかな・・・?

文:川上明彦

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野口英夫君碑
新聞人、政治家であった野口英夫氏の顕彰碑で、名取忠愛氏、矢島栄助氏、細田武雄氏、新海栄太郎氏、山本伊作氏、三枝治郎氏の6名が発起人となり、有志366人の賛同を経て甲府城跡二の丸入口に建碑され、昭和4年9月23日に約300人が出席のもと除幕式が行われました。
その後、甲府城跡整備のため平成10年にこの丸の内公園に移設されましたが、64年間社屋のあった土地の目の前にある公園という意味では、とても相応しい場所だと感じます。

参考資料:甲府街史、甲府市統計書、山梨百年、Wikipedia

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