2020年6月号 甲斐奈神社
「甲斐奈」を社名とする神社は山梨県内に三社ある。甲府市中央にあるのもそのひとつで、人皇第二代綏靖天皇の御代、甲斐国開拓に際し、甲斐奈山(現・愛宕山)の頂に白山大神を祀ったのが起源である。古くは白山権現、白山神社と言われ、慶応4年(1868)から甲斐奈神社と称している。永世年間(1504〜1520)に武田信虎の築城に際して蔵田に遷座され、その後天文年間(1532〜1555)に長禅寺が現在地に移るとともにその境内に移されたとされる。現在の社殿は鎮座500年を記念して平成18年(2006)に新造されたものである。
甲斐国鎮守の神として尊崇された古社であり、時代が変わっても心の拠り所としてその役割は変わらない。毎年6月と12月に行われる大祓では、半年間の罪や穢れを祓い、無病息災を祈念する。