2020年12月号 バクの親子

 悪夢を食べるという言い伝えは、日本独自に広まったものらしい。バクの名は中国で生まれた伝説の幻獣「獏」が由来とされているが、むしろ架空の獏こそがバクをモデルにしたとの説もある。もっとも原始的な動物のひとつであり、現在残る5種はいずれも絶滅危惧種に指定されている。
 バクの繁殖のサイクルは遅く、およそ400日の妊娠期間で産まれてくる子供はわずか一頭。そんな日本国内に30頭ほどしかいない貴重なブラジルバク(別名アメリカバク)の赤ちゃんが、2020年8月甲府市遊亀公園附属動物園で誕生した。母親のハナにとっては3回目の出産。うり坊に似た縞模様は生後半年ほどの間見ることができるという。園の入り口から最も離れた場所にあるバク舎への行き方は、通路に描かれた「バクの足跡」が教えてくれる。

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