2020年9月号 ぶどう狩り

 伝承では、日本にぶどうが渡来したのは奈良時代のこと。原産地からシルクロードを経て伝わったとされる。全国各地に広まったが、昼夜の寒暖差や水はけのよい扇状地など、ぶどうの生育にもっとも適した地が山梨県だった。生食用として作られはじめ、やがて本格的なワイン醸造へと発展。2018年には峡東地域の「葡萄畑が織りなす風景」が日本遺産に認定されるなど、ぶどうは山梨県の特産品というだけでなくその歴史の一分野を占めており、山梨県旗の紫色もぶどうが由来となっている。
 山梨のぶどうは7月中旬のデラウェアから始まり、晩秋の甲州葡萄まで時期や地域によって多彩な品種が楽しめる。県内外から人気のぶどう狩りは、この地に根付いた歴史文化に触れる体験にもなるはずだ。

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