2020年8月号 ゲリラ豪雨
「ゲリラ豪雨」という言葉は2008年夏、兵庫県神戸市の都賀川の水害から広まった。突発的に発生し短時間に局地的に降る豪雨を指すが、明確な定義はなく、気象庁は使っていない。近年の増加傾向の原因とされるのは地球温暖化と都市化である。ゲリラ豪雨は事前に予測することがむずかしく、気象レーダーとスーパーコンピューターの計算を組み合わせ、精度の高い観測機器の開発や予測手法の研究が進められている。
四方を高い山に囲まれ災害が少ないとされる山梨も、その歴史は水害との闘いだった。明治期には記録に残るだけでも35回。今も甲府城に建つ謝恩碑は、災害救済のため明治天皇より恩賜林が下賜されたことへの感謝と共に、明治に起きた大水害の教訓を後世に伝えるためのものである。