2018年9月号 愛宕山

2018.09

 甲府北部の岩窪山の支脈から、大笠山、夢見山と続いた最南端が愛宕山である。一般的には大笠山からの尾根全体を愛宕山と呼ぶ。武田氏にゆかりの深い場所として数々の伝説が遺されており、甲府五山のうち東光寺、能成寺、長禅寺、円光院の4寺は愛宕山の麓を囲むように立地している。山頂に甲斐奈神社が鎮座したかつては甲斐奈山、長禅寺の建立後は長禅寺山と名を変え、武田氏滅亡後、家康が躑躅が崎の武田氏城館に祀っていた愛宕神社を鬼門除けとして山麓に移して以降、愛宕山と呼ばれるようになった。
 甲府市街に最も近い山として、近代に入ってからも配水場や公園施設、科学館などさまざまな利用で親しまれる。大規模な住宅地とともにブドウの果樹園の広がる斜面は、甲府らしい景観のひとつといえるだろう。

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