2014年5月号 荒川のなでしこ

2014.05

 甲府市の荒川河川敷には、音羽橋上流の両岸や飯田歩道橋周辺、飯豊橋下流三ツ水門付近の4ヵ所、約3,000平方メートルの敷地に約3万株のなでしこの群生地がある。毎年色とりどりの花が川岸を歩く人の目を楽しませ、甲府を象徴する市の花として親しまれている。
 この花がpinkという色の語源であるとされ、和名は「撫でし子」という愛しみの言葉から。中国から平安時代に渡来した唐撫子に対し、在来種を大和撫子という。凛とした日本女性の美称となるように、優しく可憐な美しさと暑さや寒さに負けない逞しさを持つ花である。
 ことさらに厳しい冬を乗り越えた甲府に咲くなでしこの花。市の象徴としたその意味が身に染みる季節である。

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