2013年4月号 玉穂の蓮華
古くから水田の緑肥として栽培されてきた蓮華草は、化学肥料の広まりとともに年々減少傾向にある。そんな中、毎年見事なピンクの絨毯が広がる中央市玉穂地区では、20年ほど前から商工観光課が稲の生産者に種を配り栽培を進めてきたらしい。今では蓮華草は中央市のシンボル。毎年4月29日に行われる「れんげまつり」では、同市に存在した甲斐国唯一の虚無僧寺「明暗寺」の歴史を伝えようと、蓮華畑の広がる中を虚無僧行列が練り歩く。
美しい自然や歴史的遺産だけに意味があるのではない。住人自らがその価値を認識し、守り育てる誇りこそがその街の魅力になる。