2012年1月号 身延の南天

 身延は古くから南天の産地として知られる。日当たりと水はけの良い傾斜地と、昼夜の寒暖差により質の良い南天が育ち、葉やクキを利用したのど飴やワインなどの加工品が町の特産品となっている。
 身延山久遠寺にほど近い山間にある杉山地区は「南天の里」と呼ばれ、狭い路地や古い民家の周辺に群生する南天が晩秋から冬にかけて真っ赤に熟し、寒い季節に鮮やかな色を添える。現在5軒の生産農家が栽培をしており、毎年年末には1万本以上を都内に出荷するそうだ。
 縁起木として親しまれている南天は、今や正月飾りとしても欠かせない。「難(ナン)を転(テン)ずる」、そんな一年となるように。

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