2010年10月号 ペデストリアンデッキ

2010.10

 ペデストリアンデッキ。鉄道駅の周辺や超高層ビル付近などの人通りの多い箇所に、歩行者と自動車の通行を分離するために設置される構造物。駅前再開発事業の一環として、再開発ビルと橋上化された駅との連絡のために新設される事例が多く見られる。
 日本で初めて作られたペデストリアンデッキは、千葉県柏市の柏駅東口。1973年に柏そごう開店と同時期に初の試みとして作られた。日本で最も規模の大きいのは仙台駅西口。東北新幹線開業前の1977年12月に完成し、その後、部分的に延長されてきた。JR甲府駅北口が大きく変わった。県内では初のペデストリアンデッキや、ジュエリーとブドウをモチーフにした7千個以上の水晶で作られた直径1.2メートルの球体モニュメント、バスとタクシーの発着ターミナルとなる駅前広場が完成し、8月4日に供用がスタートした。10月には藤村記念館、12月に多目的広場も完成し、北口は新しい顔に生まれ変わる。
 「駅」は、現在では「鉄道駅」の意味で使われているが、もともとは街道沿いにある宿場(宿駅)を指す言葉だった。当時の旅人にとって、各地に設けられた「駅」は、旅の疲れを癒し、その地域の独特な風習や産物を体験できる貴重な場所であったに違いない。今後の甲府駅の変貌に期待したい。

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