2009年6月号 紫陽花寺
通称アジサイ寺…は、全国各地に点在する。他でもない、境内に紫陽花の花を多く植えている寺院である。
その昔、紫陽花が咲く時期には多くの病死者が出た。時期的に気温の変化が激しい梅雨時、医療の発達していない頃のことだ。そのためかどうか、紫陽花は寺によっては死人に手向ける花とも呼ばれている。また、紫陽花は挿し木などで容易に栽培できること、書画等でその美しさが目を引くことなどにより、日本全国の多くの寺で植えられるようになった。梅雨時の古寺に彩りを添えるため、観光の目玉にもなるところも多くなった。
妙法寺(みょうほうじ)は、南巨摩郡増穂町小室にある日蓮宗の本山(由緒寺院)。山号は徳栄山または小室山。本尊は大曼陀羅。「あじさい寺」、「俳句寺」として有名である。6月末から7月初旬、この寺の境内一面には2万株の紫陽花が咲き乱れる。山梨県の森林百選にも選ばれている見事な杉林も散策できる。三寒四温の時期、御身大切にご自愛いただきたい。