2009年5月号 さくらんぼ狩り

2009.05

 「初夏の味」サクランボ、別名で赤い宝石と呼ばれることもある。日本のサクランボ生産ランキングダントツ1位は山形でシェア72%、2位の青森は8%、山梨は3位で6%である。
 サクランボという名前の由来は「桜の坊」。つまり桜の実の意味。しかし、食用のサクランボが実るのはソメイヨシノのような桜ではなく、有名な佐藤錦などの品種。余談だが佐藤錦の名前は交配育成した山形県東根市の佐藤栄助にちなみ、苗の販売業者が渋る佐藤を押し切り「砂糖のように甘い」という意味も込めて名づけたという。サクランボのもう一つの呼び名は「桜桃」。桜桃といえば太宰治。太宰が小説家として精神的に最も安定していた時期は、井伏鱒二の仲人で甲府市出身の石原美知子と結婚し、現在の朝日町に住んだ時代だと言われている。そして昭和23年、彼の39歳の誕生日にあたる6月19日、玉川上水で入水自殺。彼の死の直前に書かれた名作「桜桃」にちなんでこの日を「桜桃忌」と名付けられた。
 桜桃忌を過ぎる6月下旬あたりから、南アルプス市ではサクランボ狩りが始まる。今年2009年は太宰の生誕100年にあたる。

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