2009年1月号 稲積神社で初詣
稲積神社は、紀元前湖沼地帯だった甲府盆地を切り開き、湖水を富士川に落として田を造り、五穀豊穣祈願のために奉斎したと伝えられる由緒深き甲斐源氏の氏神。その頃は現在の舞鶴城趾にあり、築城の際に現在の太田町に移されたという歴史を持つ。
初詣の起源は「年蘢り」。家長が祈願のために大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神の社に蘢る習慣だった。やがて「籠り」は元旦だけの「詣で」に、詣でる先は、「氏神」からその年の「恵方」になり、現在では「有名」な神社仏閣になった。
ちなみに初詣客数日本一は明治神宮。しかし、初詣をする人は年々減少し、それは年齢に比例する。若年層の初詣は、「祈願」よりも「買い物」がメインのイベントなのである。新しい時代はもはや、「神仏に祈り願うこと」がなくなってしまうのだろうか。老婆心ながら、祈願する心の本質とは、誰かを思いやる心であり、それを希う(こいねがう)気持ちなのではないだろうか。