2010年12月号『TPPってなに~!?』
TPPとはTrans-Pacific Partnership(トランス パシフィック パートナーシップ)の略で、日本では【環太平洋戦略的経済連携協定】とよばれるよ。まだなんのことかわからないね。簡単にいうとこれは、国同士で物を売り買いする時の条件を自由にしましょう、という約束事なんだ。
輸入(外国から物を買うこと)や、輸出(外国へ物を売ること)の時…。つまり貿易の取り決めだね。
そう!貿易の自由化ということ。じゃ何を自由にするのか!?それは「関税」なんだ。世界の国々では貿易をする際に、その品目ごと税率が決まっていて税金がかかるんじゃ。TPPでは、参加国同士の貿易に掛かる関税は、すべてなくそうという方針だよ。じゃあそうなったらどんな影響が出てくると思う!?
海外のものが何かとお安くなるんでしょう?助かるわ~♪
うん。たしかに海外から安い農産物が入ってくるだろうね。そうすると、例えば日本産のお米は外国産と比べて高くなってしまい、売れなくなる…。日本の農家の方が暮らしていけなくなるかもしれないんだ。元々、関税の目的はその国の産業を守るためにあるからね。
関税があることで、日本産と外国産の値段調整になるんだね。
その通り!ただ、TPPを農業の視点で考えるとそうなんだけど、製造業の視点で考えると品質のいい日本製品が、自由化によってこれまでより多く輸出できるとも言えるんだよね。ここが難しいところで、日本はTPPに参加するかどうかとても悩んでいるよ。日本はこれまでにも、対シンガポールや対メキシコと自由貿易協定を結んできたからその実績や過去に学んで最善の選択をしたいね。
ふくろう先生の解説です
初めはシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国の協議で進んでいたTPPですが、突如アメリカが参加表明をして日本にも誘いをかけてきました。各国は自国の国益を最優先して参加表明、交渉に臨んできているのです。TPPに参加することのメリット・デメリットは多岐にわたりますが、日本は圧力に屈せず、国益にかなうと明確に判断できた場合にのみ参加表明をするべきでしょう。
今回は【TPP】というキーワードから「自由貿易の難しさ」について学べたね!このテーマはこれからも新聞の中で取り上げられるはずだよ!新聞を読んで、これからどんな展開があるのか考えてみよう!学んだことを次にいかそう!
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