2010年4月号『マグロの禁輸措置って?』
「ワシントン条約」という決まりがあって、これは野生の動物や植物の国際取引を禁止するのが目的なんだけどね。パンダやトラ、アフリカゾウなどは個体数が少なく、絶滅させるわけにはいかないからこの決まりで取引が禁じられているね。で、クロマグロもそれに含めようという動きがあったんだ。
えぇーなんでまた?絶滅しちゃうほど食べちゃったのけ?
すぐに絶滅するわけではないけど、実際にクロマグロの数は世界的に減り続けているんだ。昔は生の魚を食べるのは日本くらいだったけど、栄養があって健康的な食事だとして世界中で食べられるようになってきたんだ。ただそうは言っても日本の消費量が全世界の半分以上を占めているけどね。
で!? 規制されたらいくらになるんだい? トロのためならあたいはいくらでも出すよ。
うん。まぁ聞きなさい!そんな状況の中、今回「ワシントン条約締約国会議」で世界が話しあって【大西洋のクロマグロの国際取引の禁止】が提案されてね。反対多数で否決されたけど、もしこれが可決されていたらクロマグロの流通量は減り、キミみたいに食べたい人は高いお金をだして買うようになっていたかもね。
海から本当にクロマグロがいなくなっちゃう前に動こうとしたんだね。
そう。将来もマグロを食べ続けるために、今、捕る量を減らそうという考えなんだ。ただこれまでにも漁獲量の制限は段階的にされてきたからね。その分マグロはたくさん育って個体数は徐々にでも回復しているだろうし、いきなり禁輸措置でなくてもいいだろう、と多くの国が決断したんだ。今回の件は、水産資源のこれからについて考えるいい機会になったかもしれないね。
ふくろう先生の解説です
「食べる分だけ捕る」を実践してきたとしても、その食習慣から確かに日本はマグロを消費し過ぎたのかもしれません。今回は【禁輸】を免れましたが、また同じようなことが起きた時のために備えが必要です。近畿大学では「クロマグロの完全養殖」に成功しました。その技術の普及を待ち望みつつ改めて食習慣について考え、マグロに依存せず、多様な魚を消費していくことも考えましょう。
今回は【マグロの禁輸】というキーワードから「食の大切さ」が学べたね!このテーマはこれからも新聞の中で取り上げられるはずだよ!新聞を読んで、これからどんな展開があるのか考えてみよう!学んだことを次にいかそう!
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