雑草の生き残りをかけた中心街ライフ
『身近な雑草の愉快な生きかた』

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中心街で「タンポポ大戦争」勃発!?外来タンポポが勢力を拡大し、在来タンポポは減少しつつあるという。なにしろ外来はクローン遺伝子により受粉する相手がいなくても増えることができる。す、すごい。(そのうち人間もオスがいらない時代が来たりして…)これでは受粉して子孫を増やす在来タンポポは辛い。▼しかし実際は戦争ではなかった。この状況は人間による自然破壊で都市部に空き地が少なくなったことが原因だった。その結果、一個体から種子を生産できる外来タンポポの強さが際立ってしまったのだ。しかも外来タンポポは純血の種子をクローンで残すだけではない。さらに在来タンポポに受粉して雑種を増やしていく。その雑種は二分の一の確率で外来タンポポの遺伝子になる。知らぬ間に在来種を駆逐していく。SF小説みたいだ。▼タンポポは形状が違うので外来か在来かすぐに分かるとのこと。身近な雑草の世界からも中心街の面白さが見えてくる。

『身近な雑草の愉快な生きかた』
稲垣栄洋,三上修(著) 筑摩書房 700円(税別)