街には出会いと別れの風景がよく似合う
『恋愛詩集』

book1703春は別れと出会い季節です。今回紹介する本は古今東西から集めた43篇の「恋愛」の詩集です。中原中也、茨木のり子からリルケ、シャロン・オールズまで幅広く選ばれています。ある時、この本を買った女性が飛び込んできました。「この本は凄すぎます。一つ一つの詩に胸に響く重みがあります。装丁は甘酸っぱい感じなのに、内容が深くて深くて…、思わず泣きそうになることもあります。毎日、少しずつしか読むことができない。」と。こんなに「熱」を持って本の感想を聞かせてくれるのは久しぶりでした。そんな出会いが当店で生まれて嬉しい限りでした。▼中心街には昼の顔と夜の顔があります。この街を行き交う人それぞれに恋愛模様があるのですね。そんな風景が似合うのは街ならではでしょう。▼また甲府中心街は多様なカフェに彩られた街です。この本を片手に恋の来し方行く末に思いを馳せながら休日を過ごすのも楽しいですね。 別れ話の隣では、きっとまた新しい恋が始まっています。

『恋愛詩集』
小池 昌代(編著) NHK出版新書 740円(税別)