古いものを大切にしろし 『逝きし世の面影』
知ってるけ?甲府の街は創業100年になる店がいっぱいあるだよ。中にはね松林軒さんのように天保から続く店もあるさ。「ずうっと長い間、毎日 お店が開いている」ただそれだけで、みんなの心に明かりが灯り、地域の安心につながるじゃんね。きっとそれが「甲府の街らしさ」を育んていく文化の土台になると思うさ。今回紹介する本は、古いものを大事にしたくなる本だよ。江戸の終わりから明治の初めにかけて、沢山の外国人が日本にやってきて全国を旅しただよ。その人達が残した日記や絵の記録をまとめた本ずら。読むとね、江戸には素晴らしい風俗・文化があったことが分かるだよ。それを外国人がびっくりして書いてるだよね。日本人は明治の近代化と引き換えに、現代に受け継がれなかったものが数多くあるだよ。大切なのは「一度失うと二度と手に入らない」ことずらね。最近は目先ばかりで判断するけんど、こういうものは長い目で考えなきゃいけんじゃんね。二度と戻らない大切な価値を捨てちもうことになるからね。「古いものを大切に」今こそ市民がよく考えて活かすべきじゃんね。
『逝きし世の面影』 渡辺 京二(平凡社)