その3 老化について(2) 老化を防ぐことができるのでしょうか

  今、アンチエイジングという言葉がよく使われています。日本語で言えば「抗老化」「抗加齢」という意味です。よく若返りなどがマスコミで取り上げられていますが、生命時計の針を戻すことでなく、その進みを遅らせることと考えて良いと思います。
現在、アンチエイジングの3大対策として(1)抗酸化(2)デトックス(3)ホルモン補充一の3つの対策が挙げられています。
簡単に説明しますと、 (1)抗酸化とは、活性酸素が関与していて病気の原因にもなっており、これを除去することです。今までのことを復習してみるとお解りになると思います。(2)デトックスとは、私たちは、知らず知らずのうちに身体の中に有害な毒素を摂っています。毒素とは、水銀・鉛などの有害重金属で、これらを身体の外へ排出することをデトックスといいます。通常、排便・排尿・発汗などで排出されます。このことからも排便などの大切さがわかりますね。(3)ホルモン補充とは、加齢とともにホルモンの分泌量が不足し、さまざまな体調不良が現れますが、これらの不足したホルモンを補うことです。

 このアンチエイジングはアメリカ由来の言葉で、寿命を延ばしたいというより、若返りたいという欲望を表しているように思います。老化について考える時に、これを防ぐというより、老化のスピードをコントロールすることで、高齢者になっても生活の質や健康状態を高いレベルに保つことを目指すことが大事なように思われます。

 仏語に生老病死という言葉がありますが、生命が誕生し、老いて、そして死を迎えることは、だれもが避けられないことです。老化を防ぐのには、どうしたら良いのでしょうか。健康で長寿をもたらす秘訣をお教えしましょう。ある本に書かれていたことですが、徳川家康が天海僧正に「長生きの秘訣を教えてくれ」と尋ねたところ、天海僧正は、「正直、素食、日湯、陀羅尼、ときどき下風召さるべく候」と答えたそうです。

 意味深い言葉ですので解釈は様々あると思いますが、「正直」な生き方をすること、「素食」は粗食とは違いおかずではなく主食をきっちり食べること、「日湯」は毎日風呂に入ること、そして「陀羅尼」とは読経すること、「下風」とは下の風、つまりおならを時々することのようです。元気で長生きの秘訣は、この言葉から考えると大事なのはライフスタイルを見直すことではないでしょうか?

 ちなみに天海僧正は108歳、家康は75歳まで生きたようです。