その19 続・ひとり親家庭の日々 後編

お日様サンサン・・・鬱陶しい季節を抜け洗濯物もカラッと乾く家事するものにはありがたい季節。
前回、笑い涙したひとり親家庭の日々の続き「たった一人の子育てに親の介護が重なったら・・・」からスタート。

Aさん・・・私の親も手を貸してくれますが、親たちが元気なうちに生活を安定させるようによく言われます。皆さんはいかがですか?

Bさん・・・私の場合は、今まさにそんな状況で、片方の親が入院しているのです。自分と子どもの生活の基盤がまだしっかりしていない状態で親の介護は可能なのか、焦りと迷いばかりで結論が出ないのです。本人も迷惑をかけまいとギリギリまで不調を訴えないので、早く何とかしなくてはと思っているのですが。

Cさん・・・子育てと介護が重なると大変ですよね。

一同・・・押し寄せてくる現実の重みにしばし沈黙・・・。

Aさん・・・次に、もう片方の親との関わりについて。お子さんは『会いたい』っていいますか?

Cさん・・・うちは言いますね。会ったことがないわけですから。
そんな時には遠くに居るけれど会えるよと言います。しかし、母親は1度も会いにはきませんね。

Dさん・・・うちもです。全く来ません。

Gさん・・・私から見たら、会おうと思えば会えることが羨ましいですよ。この地上のどこかに居るわけですから。うちのは探しても居ませんからね。

Dさん・・・そうですよね。会えるのだからね・・・。

Bさん・・・あとは、居ない相手のことを子ども側の感覚になって考えたら決して中傷したらいけないと思いますね。子どもだって親になるときが来るし、その時に歪んだ感情を残してしまいそうで、相手のことはあまりマイナスイメージで植え付けないようにしています。

Aさん・・・一人親になった成り行きや今の環境によっても違いますしね。

Dさん・・・あまりその辺でクヨクヨしているような親でもね~(笑)。

Gさん・・・そうそう、私なんてひとりになっても困っていることなんかないだろうとか言われてしまう。表向きはそう見えるかもしれないけれど一人親だからって下を向いていてもしかたがない。前を向いて踏ん張っていくしかないじゃんね(笑)。

一同・・・うんうん、そうじゃんね。

Gさん・・・とにかく、子どもには最低限のことはやってあげて、立派とか普通とかって基準はよくわからないけれど、しっかり見守りたいですね。

Bさん・・・子どもの個に向き合うのと同じように、地域でもそんな風に一人親家庭にも向き合ってほしいという希望はありますね。今、これしかできない、今の暮らし方そのものを見てもらうしかない。そう、ゆったり構えると子どももゆったりするみたいで・・・。

Gさん・・・そのうちのスタイルってあるしね。

Aさん・・・ただ、本当に大変な状況で問題があるなぁというお宅もありますよね。でも、現状では本当に救わなければいけない家庭が守られていなかったり・・・。父子家庭の会の方々の活動状況や現状はいかがですか?

Cさん・・・父子家庭は男である父親が働きながら暮らしているから、お金の面でもそんなに苦しくないだろうと思われているんです。でも、子どもの暮らしに合わせると土日休みの5時退社でないと困る。ハローワークへ行って相談すると「そんなところはない」と言われてしまうわけです。そうすると、職種も賃金も望めないわけですよ。

一同・・・え!そうなの?

Cさん・・・母子家庭の状況とそう変わらないことはあまり知られていないと思いますが。かといって無理したら共倒れです。父子と母子の現状に違いがないにも関わらず、例えば年収100万円のひとり親家庭で、母子には手当が出るが父子には出ないという現状が全く知られていないんですよ。公的な補助が母子家庭と同じように必要なんです。

Aさん・・・行政にもですが、企業に対しても理解して欲しい部分もありますよね。

Cさん・・・そうですね。ほかの社員とは同じ条件で働けないわけですから賃金のことは同じはずがないと思います。でも、そんな状況を理解してほしい。

Bさん・・・一人親に対する企業側の理解と配慮があるだけでもありがたいですよね。

Aさん・・・そんなことも集まると話題になるのでしょうか。

Gさん・・・父子家庭の会の活動って親父だから、集まりがよいかといえば、結構控えめ。仕事もあるしね、面倒くさかったりとかね。母たちより引っ込み思案なんですよ・・・。

Cさん・・・知ってもらいたいですね。こんな集まりがあることもね。そして参加してもらって少しでも今の状況を良くしていかないとね。

Aさん・・・全国的にも山梨の規模は大きいのですよね。大いに参加しあって力をあわせていくこと、また、行政をはじめ、地域の中でも理解を深めてもらえるように活動の輪を広げていけたらいいですね。

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様々な情報や価値観が渦巻く中で子どもと向き合い、踏ん張って前を向き続けている。そんな背中を子どもたちは見つめながら生きていることをきちんと自覚している姿に脱帽!
最後に「次のパートナーは?」そんな質問に父親たちは「子どものことだけで今は考えられない」女性軍の一部は「きっかけがあってそんな気になったら」意外な結果。でも最終的には子どもの明日を守ることが今一番大事なことだという。なかなか素敵な面々による座談会でした。