2016年12月号 萬集閣・六曜館
甲府駅からほど近い飯田通りに、ビジネス旅館「萬集閣別館」と珈琲店「六曜館」はある。蔦に覆われゆっくりと時間の流れるこの場所には、県外から訪れる愛好家も後を絶たない。
萬集閣の本館は既になく、今はこの別館のみが残る。1階に併設する形で六曜館ができたのは昭和48年のこと。オーナーが趣味の骨董品を飾っていた自宅の応接間をそのまま珈琲店にしたのだという。昭和51年からは近隣に骨董店を複数構え、仲間の出店も伴うと、飯田通りは「骨董通り」の愛称で呼ばれた。骨董店「六曜館」は現在も中央2丁目で営業が続く。
地元に愛される老舗の成り立ちを知ることは、その街の一つの歴史を紐解くようで面白い。