2013年1月号 道祖神祭り
五穀豊穣や子孫繁栄、無病息災などを願う人々の祈りを受け、民間信仰として地域に根差している道祖神。神社に祀られることなく、分かれ道や集落の境などの路傍にひっそりと佇む不思議な神様である。
山梨県はその信仰が特に盛んな地域であり、小正月に各地で行われる道祖神祭りは、梵天竿(おやなぎ)を立て、縁起物の伝統芸能である獅子舞や、どんど焼きとも結びつくなど、郷土色豊かな伝承行事として地域に継承され続けている。
道行く人が足を止め、そっと手を合わせる姿を目にすることもあるだろう。暮らしの中の祈りと感謝を忘れたくないものである。