2021年4月号 武田信玄公之像
甲斐の国の歴史を語るとき、武田信玄公の名は欠かせない。富士山と並ぶ山梨県民の誇り。武田騎馬軍団を率いて広大に領土を拡げ、兵法や外交戦術に於いて戦国時代最強の武将と評された信玄公の人生は、まさに戦国ロマンそのものだ。国盗りだけでなく治水事業や産業の振興にも力を注ぎ、山梨の基礎を築いたその影響力は健在で、生誕500年を迎える今も郷土の英雄として敬われ続けている。
JR甲府駅前の信玄公像は、信玄公の遺徳をしのび、県民の気運を高揚することを目的に、県内外の有志1,080人から集めた浄財で昭和44年に完成した。川中島の戦いの陣中における勇猛な姿を模しながら、市民に親しまれ、観光客を温かく迎える。名将にふさわしい堂々たる風格である。