2019年2月号 武田信虎公之像
武田神社への起点となるJR甲府駅北口に、武田信虎公の像が設置された。実子の信玄公により駿河に追放された暴君として知られるが、館を躑躅ヶ崎に移して分裂状態だった甲斐国を統一、現在まで続く甲府の基礎を築いた開府の祖である。像は2019年の甲府の開府500年に合わせ甲府商工会議所が企画・制作したもので、信虎公の菩提寺、甲府市古府中町の大泉寺に残る肖像画をもとに南アルプス市の造形作家がデザインを手掛けた。
孤独と憂いを帯びながらも、武将としての誇りを感じさせる佇まい。その視線の方角が意味するものは、富士という普遍的な存在による時を超えたつながりだ。南口の信玄公像とともに、甲府市の玄関口の新たなシンボルとなることだろう。