2018年7月号 武田氏館跡東側の蓮池
インド原産、ヒンドゥー教や仏教とも関わりが深く「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という中国の成句が表す通り、古来より蓮の花の凛とした清らかさは聖性の象徴とされてきた。
武田氏館跡東側の堀に、「蓮池」と呼ばれる蓮の名所がある。古くから地元で親しまれ、2007年に館跡の整備工事の影響で発芽しなくなった折にも近くの住人が自宅で育てた株を植栽し、11年より再び花が咲くようになったのだという。
花は早朝に開いて午後には閉じる。それを三日繰り返し、四日目には閉じることなく散っていく。蓮見は夏の風流。朝露の消えない時分にゆっくりと愛でたいものである。