2018年1月号 忍野の冬
山梨県の南東部、富士北麓に位置する忍野村は四方を山に囲まれた高原盆地。山中湖を源流とする桂川とその支流の新名庄川が東西に流れ、忍野八海の湧水に見られるように豊富な水資源に恵まれた村である。伝統的な日本家屋の残る風光明媚な水の里として観光業が盛んな一方、豊かな自然と交通の便を活かしてプラスチックやロボットの工場も置かれている。
四季の杜・おしの公園付近で見つかった縄文土器や村内に残る遺跡によると、この地には縄文時代の早期から人が住んでいたという。冬の寒さの厳しい土地である。雪が溶けて水になる。富士が育む自然の循環の中で、人々の暮らしが続いている。