2017年8月号 ぶどう棚
山梨が生産量日本一を誇る果物「ぶどう」が特産品として全国的に珍重されるようになったのは江戸時代のこと。甲府盆地の夏の暑さと昼と夜の寒暖の差、扇状地で水はけがよいことなどが適し、日本のぶどう栽培は甲州市勝沼を発祥として1000年以上の歴史を持つ。ぶどうの棚栽培は日本独自の仕立て方で、武田家の侍医であった永田徳本が考案し普及させたといわれる。
甲府盆地に照り差す陽光を受けながら広がるぶどう棚は、甲府盆地の象徴的な農業景観。栽培技術や出荷・販売方法の研究に取り組む果樹農家の意欲と努力が「くだもの王国」の地位をささえている。