2017年7月号 鳴沢氷穴・富岳風穴
富士山麓には大小さまざまな溶岩洞窟があり、鳴沢氷穴と富岳風穴はその代表である。いずれも貞観6年(864)の長尾山の噴火でできたもので、鳴沢氷穴は竪穴式、富岳風穴は横穴式の特徴を持つ。地質学上貴重な存在であり、国の天然記念物に指定されている。
夏でもひんやりとした洞窟内部には、天井からしみ出した水滴が凍ってできた神秘的な氷柱が立ち並ぶ。積み上げられたブロック状の氷の壁は、天然氷を切り出して貯蔵したかつての文化の再現だという。富岳風穴の最深部には実際に使われていた蚕や種子の貯蔵庫も残されている。狭い洞窟の先に抱くのは独特の緊張感と期待感。さあ、探検に出かけよう。
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