2017年4月号 舞鶴城公園の桜
甲府城は、かつては広大な城郭を持つ東日本屈指の城であった。武田氏滅亡後、豊臣秀吉が徳川家康へ対抗するための戦略拠点として築城したとされる。徳川体制になってからは江戸侵攻を阻止する重要基地として、代々将軍家が城主を務めた。
廃城となった明治以後、中央本線により分断された城郭の一部が現在の舞鶴城公園と甲府市歴史公園である。発掘および総合的な調査によっていくつかの曲輪や門の整備・復元も行われ、天守閣においても復元の手がかりとなる絵図や古文書などの資料の捜索が続く。当時の権勢を物語るように城を囲む石垣の数々も美しく、甲府市街地を一望できる城跡は、市民が憩う桜の名所となっている。