2017年3月号 藤垈の滝
大窪不動堂は新羅三郎義光の開基と伝えられ、林の中に祀られた芹沢不動は、湖水伝説において蹴裂明神、穴切明神とともに甲府盆地の水を抜いた瀬立不動の名でも知られる。御堂前にあるのは不動林から湧出する水が八条に流れ出る藤垈の滝。年間を通して常に12度を保つ霊泉(薬泉)で、この滝水に頭を打たせれば生涯頭痛を患うことはないという。西にある向昌院が長慶寺であった頃には、禊の場でもあったとされる。
現在では周辺一帯が自然公園として整備され、毎年3月、滝から流れる小川に春を待ちわびた水芭蕉の花が一斉に咲き誇る。