2017年1月号 ダイヤモンド富士
富士山頂にまるでダイヤモンドが輝くように太陽が重なることがある。ダイヤモンド富士と呼ばれるこの光景は、富士山頂から西側の南北35度以内の範囲で日の出の時、同じく東側では日没時に見られるが、地球の地軸の傾きにより太陽が昇る位置は毎日少しづつずれていく。特定の場所と短い時間、そして晴天という気象の条件が揃って初めて見られる、まさに自然の芸術である。
山梨は湖面に逆さ富士が現れる「ダブルダイヤ」など、全国でも有数の観測地を擁し、中でも富士川町高下地区は初日の出のダイヤモンド富士が見られるとあって「日出づる里」とも呼ばれる。新年の縁起担ぎにこれほど魅力的なものもなさそうだ。