2016年11月号 猿橋

2016-11

 猿橋は大月市猿橋町の桂川に架かる刎橋。谷が深く橋脚をたてられないため、両岸から張り出した四層のはね木によって橋を支える特殊な構造で、江戸時代には日本三大奇矯の一つとされた。甲州街道沿いの宿場にあるため往来が多く、訪れた多くの文人によって紀行文や詩句が残されている。周囲の自然景観との調和が見事な、国指定名勝である。
 現在の橋は、昭和59年に架け替えられたものだがその歴史は古く、7世紀に百済の渡来人である志羅呼が、猿が弓のように連なって対岸へ渡る様子を見てこれを造ったとされるほか、大月市の桃太郎伝説では、岩殿山へ鬼退治に向かう桃太郎がこの猿橋でサルを仲間にしたという。

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