2015年2月号 柳町大神宮
甲府の中心には二つの大神宮がある。横近習大神宮は武田氏の伊勢信仰の基として創社されたものであるが、柳町大神宮はもともと古府中の名家、高野家の屋敷神であった。信玄公の命で越後から塩を運んだ高野孫左衛門は現在まで続く吉字屋の初代。江戸時代に中心地が舞鶴城下に移った後現在の場所に屋敷神を祀ったのは、より多くの人々にという想いからであったという。
毎年2月3日の節分に横近習大神宮と共に行われる「大神宮節分祭」は300年以上続く伝統行事。柳町大神宮では隣に本店を構える吉字屋の社員が鬼に扮し、家内安全、商売繁盛願う人々で賑いをみせる。「大神さん」の名で親しまれる、甲府三大祭りのひとつである。