2014年2月号 金手駅
甲府駅のひとつ東、金手駅。身延線の駅であるが、並行した線路を中央本線の列車が通過する。歴史ある寺院が多く所在する住宅地にあり、旧甲州街道(城東通り)の城下町特有のクランク「鍵手(かぎのて)」が訛って「金手(かねんて)」と呼ばれるようになったことがこの地名の由来である。
一日に止まる電車の本数も利用者も決して多くはない無人駅だが、こうした場所にある種の郷愁を誘う趣を感じる瞬間がある。線路とともに伸びる電線を踏切から見上げると、日が長くなってきたことに気付く。春はもうすぐ。