2010年5月号 オリオン通り
オリオン通りの西側、大きなビルを建設中だ。店舗・駐車場・専門学校・住宅を擁する地上20階・地下1階の紅梅地区再開発ビル(仮称)である。
オリオン通りは元々甲府地方検察庁の検事正宿舎があったあたりを戦後の1956年(昭和31年)に葦張りのアーケードの商店街として開発されたことがルーツ。現在の東京電力山梨支店から岡島百貨店と山梨中央銀行本店の間まで南北100メートルあまりの商店街である。アーケードは1961年(昭和36年)に鉄骨造のものに架け替えられ現在に至っている。昭和30・40年代は、レコード楽器店から飲食店まで様々な店舗が連なり、人通りが絶えない賑やかな商店街で、子ども心にも「わくわく感」があった通りだったと記憶する。しかしバブル景気が終焉とともに、商店街は郊外のショッピングセンターにカタチを変え、中心街の西武やトポスは撤退、商店街もシャッター通り化した。
紅梅地区再開発ビルはこれに対して市街地の活性化を図りたい甲府市や甲府商工会議所・オギノが共同で再開発の取組みである。戦後のわずかの期間で見事に復興したニッポン…などといってもピンと来る感覚ではないことは十分承知だが、汗を伴う努力と熱意には必ず結果が付いてくる…と信じたい。