2008年8月号 石和の花火大会
日本の打上花火は、打ち上げ時に光が同心円状に広がるものが多く、花火玉そのものの形も球形をしている。これに対し、欧米諸国の花火は打ち上げても円状にはならず、花火そのものの形も円筒形をしている。この違いの理由は、観客である多くの一般庶民が、あらゆる方向から観賞していたため立体的に発光しなければならなかった日本の花火に対し、ヨーロッパでは、貴族などの限られた観客の館など一定方向からしか見なかったため、平面的な発光でもよかったらしい…。
その球形の花火をつくったのはあの「鍵屋」。ちなみに「玉屋」は鍵屋の手代ののれん分け。ともあれ二大花火師のおかげで日本にはかくも美しい夏の風物詩がある。
約1万発が打ち上げられる県下最大規模を誇る石和の花火大会。花火師たちの競演が石和の夜空を彩る。観客席のほぼ真上に打ち上げられる石和の花火は、まるで花火の傘の中に入ったような気分が味わえる。