2008年6月号 SL
中央本線甲府駅~塩山駅間。38年ぶりに蒸気機関車(SL)が走った。JR・地元自治体・旅行会社が企画する山梨デスティネーションキャンペーンのオープニングイベントだ。期間中は当該駅とその沿線周辺には汽笛の音が響き、たくさんの人が勇壮に走るSLの姿を楽しんだ。SLとはSteam Locomotiveの頭文字。蒸気機関で走る機関車のことである。だから当時はSLで牽引する列車のことは「汽車」といった。
現在は電気機関車なので「電車」である。少し昔のこと、「汽車」ということばは日常会話で普通に使われていた。私のリアルな経験である。「汽車で行くのか?うん。電車で行く」なんて会話が普通に飛び交っていたような気がする。子供のころ描いた未来の絵には、乗り物は必ずと言っていいほど描かれていた。そしてそれはほとんど空を飛んでいたりした。
現在の乗り物がそこまでは行かないものの、道路整備や自家用車の普及には目をみはるものがある。一方便利になった世の中で、昔のモノに惹かれる傾向があることも事実である。なぜだろう。