古典だって「まんが」であれば怖くない!
『幸福について』

「講談社まんが学術文庫」が創刊された。『罪と罰』『資本論』『歎異抄』…古典を読みやすく漫画化した人気シリーズだ。現代は目まぐるしく社会が変化して、それに合わせて処世術も次々に生まれる。読者はそんな時代の流れの速さに合わせて、自分を変えるのに疲れているのだろうか。自分の中にぶれない軸をつくるような、時代を超えて読みつがれる「どっしりとした思想」を古典に求めているのかもしれない。▼しかし、古典を読むのは大変ということもあり、そこで登場するのが漫画だ。この本は誰にとっても関心のある「幸福」についての本だ。著者であるショーペンハウアーが考え抜いたエッセンスが得られる。この本を漫画にするとやはり物足りなさが残るが、それでも普段本を読まない人であったり、古典に興味はあるが読む時間が足りない人にオススメだ。▼この漫画で興味をもち、もっと深く読んでいきたいのであれば、原本にあたるという方法もある。

『幸福について』
ショーペンハウアー(原著)
Team バンミカス(著)
伊佐 義勇(著)
講談社まんが学術文庫
600円(税別)