配車係歴 4年

今から50年前、東京の祖父が亡くなり葬儀に出席するため、両親と私、親戚の方と東京へ出発しました。夏の盛りで、台風が山梨を通り過ぎ電車が不通になり、タクシーで行くことになりましたが、舗装道路などほとんどない時代です。

大和村までは順調でしたが、笹子トンネルがない時代でしたので、峠越えをしなくてはなりませんでした。台風の傷跡で、砂利道は深くえぐられ乗っていて何度も天井に頭をぶつけるわ、横に大きく揺れるわで大変でした。その上、峠の入口でタイヤがパンクし、通りがかりの人達にも助けてもらい、何とか頂上まで押し上げることができました。服は泥だらけ、汗で下着までびっしょり、結局八王子までしか行けずに、あとは電車に乗って行った記憶があります。戦後から7~8年、当時の車でのお話です。木炭車だったかぁ?

今では国産車は世界一を誇る性能ですし、道も良くなって、もうなかなかそんなこと話も聞かないですね。懐かしく、辛かった、私の一生忘れることのできない思い出です。

配車係 市川忠愛さん