甲府の異能な人
『アラマタ人物伝』

1604岡島百貨店の反田亘昭さん。中心街のちょっとした有名人だ。商品やサービス、催事の案内をしつつ、デパートの本来的な楽しさを伝える。しかし、反田さんの凄さはそれだけではない。仕事以外での中心街での活躍も際立つ。商店街の各お店の紹介、路地横丁を盛り上げる活動、朝の勉強会の開催等々、SNSを駆使して発信に力を入れる。同時にあちこちのお店に立ち寄り情報交換しながら、人情味あふれる交流も欠かさない。その気さくな人柄もあってファンは多い。▼自由自在に持ち場を越境し、橋渡しをして、百貨店はもちろん街全体を盛り上げる。そうした活動は口コミをうみ、やっぱり反田さんがいる岡島で買いたいと言う人は多いと思う。小さな枠組みに囚われずに、まず自らが率先して現場に出て活動を続ける。▼今回紹介する本は博覧強記の荒俣宏さんが紹介する人物伝だ。有名な歴史人ではなくても荒俣さんが共感する人が取り上げられる。中心街関連でいえば城東の尊躰寺に墓がある大久保長安を紹介している。家康に見出されて鉱山開発の天才だった。甲府には異能の人がいる。

『アラマタ人物伝』
講談社 荒俣 宏 (著, 監修, 監修) 1,900円(税別)