童心にかえり楽しい遊びをつくるのだ
『新しい遊び場』 アービッド・ベンソン (著)

1602まもなく大神さん。2010年から「繭の森プロジェクト」という活動グループがある。節分を盛り上げるため、頭に装着可能な鬼の角を製作し配布したり、紅白の繭玉を木に飾り商店街の電柱に括りつけたりする。伝統行事に新しい要素を取り入れ、商店街やお客様を巻き込みながら祭りに彩りを添える。お祭りもこうして変わる所、変わらない所の新旧がミックスしながら、生き続けていくものなのかもしれない。2月3日は桜座の周辺で鬼の角を自分で色付けしたり、どんど焼きや書き初めも行うとのことだ。誰にでも短時間で参加できる工夫があり、年々巻き込まれる人が増えていく。▼今回紹介する本は遊び場をつくる本だ。翻訳した大村虔一のあとがきにこんな言葉があった「日常のさまざまな問題を、政治や経済の問題として自分の手の届かないところに押しやるのをやめて、自分の問題として、自分たちの手で解決していく姿勢が必要な時である」大人がそんな楽しい場を創ることを子どもは楽しみに見ている。

『新しい遊び場』 アービッド・ベンソン (著)
大村 虔一 (翻訳) 大村 璋子 (翻訳) 鹿島出版会 3,200円(税別)