2020年7月号 金峰山

 金峰山は山梨県では「きんぷさん」、長野県側では「きんぽうざん」と呼ばれ、両県にまたがる奥秩父の主脈に位置する。日本百名山や山梨百名山、そして甲府名山のひとつとして数えられ、標高2,599mの山頂からは八ケ岳、富士山、南アルプス、浅間山が一望できる。山梨県側の登山ルートに残る水晶峠の名の通り、明治初頭まで良質な水晶の産地としても知られていた。
 金峰山信仰は修験道の開祖、役小角によって奈良県吉野の金峰山から蔵王権現を勧請したことに始まるとされ、山頂は金櫻神社の本宮となっている。御神体である高さ約15mの五丈岩の頂には甲斐派美という清水が湧く場所があり、古くから修験者の奉賽品や経塚などの遺物のほか、雨乞いに関わる土馬や水晶も多数発見されていることから、耕作の守護神として厚い信仰を集めていたことが伺える。

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