2017年12月号 柳小路飲食店街

 甲府城の築城に伴い、古府中にあった柳小路(元柳町)の名が新たな城下町へと移された。江戸時代に甲州街道の宿場町として栄えた柳町は、大正から昭和にかけて甲府繁華街の中心地となり甲府城下で最大の人口を誇った。
 城東通りと遊亀通り交わる交差点の裏路地に、当時の名残をひっそりと留める柳小路飲食店街がある。座売りが一般的であった時代に百貨店のはしりともいわれる勧工場「博品館」が開業し、大変な人気を呼んだという。その後は営業不振の打開策として一角に日蓮宗祖師堂を建立、名称を「天晴館」と改め大正末期には遊技場に転向して営業を続けたが、昭和3年の火災によって同館は廃業となった。現在、祖師堂跡に置かれた石祠には柳小路飲食店街を守る火伏の神が祀られている。

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