2009年9月号 十五夜の月

2009.09

 明るさの話し。太陽光は32,000?100,000ルクス、TVスタジオは約1,000ルクス、オフィスは約400ルクス、月の光は約1ルクス、星の光は0.00005ルクス…だそうだ。その昔、電灯がなかった頃。現代では考えられない(甲斐善光寺の戒壇巡りのような…)「漆黒の闇」が身近にたくさんあったはずだ。そんな闇夜を照らす月明かりは、今よりもずっと生活に密着した、太陽と同じくらいの存在感があったに違いない。だからこそ日本では、月を愛でるという習慣が古くからあり、「月見」はそれを立証する祭事なのだろうと一人合点する。
 一方ヨーロッパでは満月は人の心をかき乱し、狂わせるものであり、月の女神が死を暗示したり、狼男が月を見て変身するという例がある。この正反対の発想の根源は一体何なのだろう。
 「月見里」と書いて「ヤマナシ」と読むのだそうだ、月見に適した景観の土地という意味なのだろうか。山梨の根源との関係は不明だが、悪い気はしない。ゆっくりと月を眺め一献傾けるのも…悪くない。

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