料理家 真藤舞衣子さん

マットシレシvol.1

山梨県は好きですか?という問いかけに対し、皆さんはどう答えるでしょう?
私が経験した範囲ですと、「富士山しかないよね」とか「水はキレイだけど……」とか、あまり前向きな答えが返ってきたことはありません。
少なくとも面と向かって「山梨が大好き!」と答える人は、少人数だと思われます。

私は山梨が大好きです。ですので、県民ひとり一人が「観光大使」として山梨の良さを県外へどんどん伝えて貰いたいと願っています。
そんな思いから、県内で活躍する方々から「山梨の魅力」についてあらためて聞くことで、私自身も含め、山梨の素晴らしさを再発見していきたいと思います。

食材が持つ本来の味の魅力を
伝えていきたい(真藤)

真藤舞衣子さん

さて、記念すべき第1回目は、山梨市在住の料理家、真藤舞衣子さんにお話しを伺いました。

「ワインをつくっている主人との結婚を機に山梨へ来たんです」真藤さんの経歴はとても面白い。
アパレルやコンピュータ関連の会社に勤めた後、京都の禅寺で1年間生活、そして料理の勉強のためにパリへ留学しました。なんでも外国へ行くにあたって、日本のことをもっと知らないといけないという思いから、禅寺での生活を経験したそうで、その発想力や行動力にとても魅力的に感じます。

パリの料理学校を卒業後、日本に戻り菓子店勤務を経て2002年に赤坂でカフェ「my-an」をオープン。そしてぶどうとワインをつくっている旦那さんとの結婚を機に山梨へ移住したそうです。
現在は東京と山梨を行き来し、食育アドバイザーなどの活動を精力的に行っています。新聞や雑誌で連載のコーナーを持っているので、ご存知の方もいるかもしれません。凄い人が山梨にいるものですね~。

対談中

「真藤さんは山梨県出身では無いということから、客観的に山梨県を見ることが出来ると思います。山梨県の特徴をどう捉えていますか?」
「山梨は『甘じょっぱい』味付けが特徴なんですよね」

東京生まれ東京育ちの真藤さんが、山梨に来て驚いたことのひとつが、独特の『甘じょっぱい』味付けだったそう。確かにそうかもしれません。甘じょっぱい味は山梨の文化だったのですね。私個人としては甘じょっぱい味は大好きで、ソバ屋へ行けば必ず甲府鳥もつ煮を注文します。

「もちろん甘じょっぱい味付けが悪い訳ではないんです。でも場合によっては、せっかくの新鮮な食材そのものの味を消してしまうことがあるんですよ」

なるほど、それはもったいないですね。
それはそうと、山梨で手に入る野菜はとても新鮮なのだそうです。

「東京では高価な新鮮野菜が、山梨では身近にあり、安く簡単に手に入りますよね」

我々は身近に農業があり、場合によっては近所から野菜を貰ったりしますが、東京ではそうはいきません。また、我々が高いと思っている値段が、東京の人にとっては安かったり、野菜に対する価値観が違うことにも、あらためて気付かされました。

「料理教室やワークショップを通じて、子ども達に食材が持っている本来の味を伝えていきたいです」

真藤さんが行っている活動は、我々山梨県民が地元山梨の良さを再確認するものでもあります。山梨県民として、ぜひ応援していきたいですね。

Naturalia

撮影協力:Naturalia

それにしても、なぜ東京では野菜が高いのでしょうか?
また、県内で生産している野菜が新鮮なのであれば、なぜ他県産の野菜が売っているのでしょうか?
山梨県の食料自給率ってどうなっているのでしょう?

今回のお話しを聞くことで、新たな疑問が浮かんできました。来月はそんな疑問について調べていきたいと思います。


真藤舞衣子さん■真藤 舞衣子 / 料理家
東京生まれ。幼少のころから食に興味があり、家に遊びにくるシェフなどに料理をふるまう。赤坂でカフェ&サロン「my-an」をオープン。6年半営んだ後、ワインを作っている旦那さんとの結婚を機に山梨に移住。現在東京と山梨で料理教室の主催や店舗プロデュース、レシピ開発、食育の講座、子どもイベント、ワイン会なども行っている。


メタボにもおススメ!maimai's recipe

「ゆで鶏と三つ葉の梅肉和え』ゆで鶏と三つ葉の梅肉和え

<材料>
○ゆで鶏(胸肉) 半身(作り方は☆に) ○梅干し 2つ
○おしょうゆ 適量 ○三つ葉 1束

①ゆで鶏をたべやすく裂いておき、梅干しは種から梅肉を取り出し、包丁で叩いておいてから鶏と和えます。
② ①と三つ葉を食べやすい大きさに切った物とをあわせ、好みでお醤油で味を整えてできあがりです。

☆塩麹のゆで鶏の作り方
<材料(4人分)>
○鶏むね肉2枚 ○塩麹大さじ2 ○長ネギの青い部分2本 ○しょうが 1片

①鶏むね肉に塩麹を塗って1時間ほどおいておく。
② しょうがを薄くスライスし、1と長ネギとともに鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れて火にかける。
③ 沸騰直前で火を止め、冷めるまでおいておく。

*鶏むね肉はコレステロール値をさげるナイアシンを多量に含むので、動脈硬化症の予防にも効果があります。